16 そのほかのこんちゅう、クモ(昆虫 膜翅類・半翅類、クモ)

16 そのほかのこんちゅう、クモ(昆虫 膜翅類・半翅類、クモ)

長田谷津(ながたやつ)には、いろいろなハチがすんでいます。オオスズメバチは、はやしのじめんに、あなをほって、すを、つくります。せいちゅうは、じゅえきを、のみます。ベッコウバチやツチバチ、アナバチのなかまは、クモやいもむしをつかまえて、たまごをうみます。「かりうどばち」と、よぶこともあります。ニホンミツバチやクマバチは、はなのみつや、かふんをたべます。
セミのなかまは、ミンミンゼミ、ツクツクボウシ、ヒグラシ、アブラゼミ、ニイニイゼミがいます。さいきん、クマゼミのこえも、きこえるようになりました。カメムシも、いろいろなしゅるいがいます。アブやカのような、ちいさなこんちゅうもいます。
クモのなかまも、たくさんすんでいます。ジョロウグモは、あきになると、おおきなあみを、はります。ナガコガネグモやアシナガグモは、しっちであみをはります。あみをはらないクモも、たくさんいます。じめんや、くさのうえでくらしています。

膜翅類と呼ばれる昆虫のグループには、翅の脈が少なく膜のようになっているという特徴があります。ハチのなかまです。長田谷津で目につくのはオオスズメバチやキイロスズメバチと、オオモンクロベッコウなど何種類かの「狩人バチ」です。いずれも幼虫は肉食なので、食物連鎖の上位に位置します。餌になる生き物が多数生息していて、はじめて生きていける生き物です。ニホンミツバチやクマバチ、コマルハナバチなどのハナバチ類は、花の蜜や花粉を餌にします。植生が単純化し、たとえばヨシ原と常緑樹林ばかりになると花が減り、これらのハチの餌も少なくなってしまいます。
スズメバチ類の公園管理上の扱いは、園路を歩く人の脅威になる場合は巣の駆除を行い、園路から離れていたり迂回路を用意できる場合は駆除をせず、スズメバチも長田谷津の生態系の一員として扱うというものです。「もし刺されたら誰が責任を取るんだ」のひと言に負けない理念が必要です。
半翅類と呼ばれる昆虫のグループのうち、カメムシ類の多くは前翅の半分が甲虫のように硬く、半分は膜のように薄くて柔らかいという特徴があります。サシガメのなかまや水生種を除くと、セミやヨコバイなども含めすべて草食で草や木の汁を吸います。バッタなどと同様、これらの昆虫が植物を食べることで食物連鎖がスタートします。
カメムシ類は、梨にとってはやっかいな害虫です。梨畑は長田谷津の環境を支える大切な存在ですから、共存するためにはカメムシ類の捕食者が長田谷津でしっかり役割を果たせるように環境を管理するしかありません。
クモ類は、一般の来園者が思っている以上に長田谷津に数多くいます。網を張る種類はもちろん、湿地の地面や水ぎわ、林の中にも網を張らない大小のクモがいます。クモには、他の昆虫を捕えて食べるという面と、カエルやカナヘビに食べられという面があります。動画にはナガコガネグモがコカマキリを捕えている場面がありますが、その場合、植物→バッタ→コカマキリ→ナガコガネグモです。さらにナガコガネグモ→ニホンアカガエル→コサギ→オオタカとつながっていくことも、長田谷津ではあるでしょう。

キイロスズメバチの写真
キイロスズメバチ(セミをおそう)
ヒグラシの写真
ヒグラシ
ジョロウグモの写真
ジョロウグモ(トンボをおそう)

動画 長田谷津のそのほかの生き物

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