15 コウチュウ(昆虫 鞘翅類)

15 コウチュウ(昆虫 鞘翅類)

長田谷津(ながたやつ)には、ものすごくたくさんのコウチュウのなかまが、すんでいます。カブトムシ、ノコギリクワガタ、コクワガタは、クヌギという、きの、じゅえきにあつまります。タマムシは、ひるま、キラキラしながら、とんで、きれいです。ヘイケボタルは、よるになると、ひかります。しんだミミズをたべるオオヒラタシデムシは、じめんのうえを、あるきます。
コウチュウのなかまは、しゅるいがおおすぎて、ぜんぶをせつめいするのが、むずかしいです。

ながたやつの、コウチュウ(すこしだけ、しょうかいします)

アオオサムシ、コクワガタ、ノコギリクワガタ、センチコガネ、アオドウガネ、カブトムシ、コアオハナムグリ、オオヒラタシデムシ、ヨツボシケシキスイ、タマムシ、ヘイケボタル、ナナホシテントウ、ゴマダラカミキリ、ミヤマカミキリ、エゴツルクビオトシブミ、クロウリハムシ

鞘翅類と呼ばれる昆虫のグループには、前翅が鞘のように硬くなっているという特徴があります。前翅を、飛ぶことではなく、体を硬く包んで守るために使います。鞘翅類は種類が多く、いくつものグループに分かれています。生態もさまざまで、食性だけでも草食、肉食、腐肉食とさまざまです。陸生種も水生種もあります。鞘翅類を単体のグループのように扱って説明することはできません。
長田谷津でよく知られている鞘翅類に、ヘイケボタルとカブトムシがあります。長田谷津のヘイケボタルは野生のものです。養殖も移入もなく、もともとの個体群が現在まで継続されています。水田時代やそれ以前、また、公園化されてからも生息に必要な環境が保たれたからです。特に重要なのは、水生である幼虫の生息環境です。1センチ余りの小さな幼虫が暮らす浅い水辺が、途切れることなく保たれてきました。しかし、いまは大きな曲がり角にあります。大雨の時に斜面から流れ落ちる土砂が谷津の外に流出せず、長田谷津の湿地を埋めているからです。幼虫の生息環境を維持するためには、人為的に浅い水面を確保する必要があります。
カブトムシは、長田谷津とその一帯に多く生息しています。その理由も、ホタル同様、幼虫の生息環境が残っているからです。カブトムシの幼虫は落ち葉が堆積した場所に住み、腐葉を餌にしています。長田谷津がある大町地区は農業地帯であるため、土地利用にゆとりがあります。落ち葉を積もったままにできる場所がいくつもあります。落ち葉や枯れ木からはじまる食物連鎖が失われていないのです。これは、腐肉食の生き物についても言えることです。市街地では落ち葉や枯れ木、動物の死骸はすぐさま回収され清掃工場で燃やされてしまいますが、土地利用にゆとりがある長田谷津一帯では、それらが自然の要素として機能しているのです。

カブトムシの写真
カブトムシ
ヘイケボタルの写真
ヘイケボタル
オオヒラタシデムシの写真
オオヒラタシデムシ(ようちゅうも)

動画 長田谷津の鞘翅類

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