11 エビやカニ(甲殻類)

11 エビやカニ(甲殻類)

長田谷津(ながたやつ)には、エビのなかまの、ヌカエビ、アメリカザリガニがすんでいます。カニのなかまの、サワガニ、モクズガニもすんでいます。たくさんいるのは、アメリカザリガニとサワガニです。ヌカエビはひとつのいけだけに、います。モクズガニは、うみからやってきます。
そのほか、ちいさな、ミズムシのなかま、ヨコエビのなかま、ミジンコのなかまも、すんでいます。これも、エビやカニのなかまです。

ながたやつの、エビ、カニ、そのなかま

ヌカエビ、アメリカザリガニ、サワガニ、モクズガニ、ミズムシのなかま、ヨコエビのなかま、ミジンコのなかま

ヌカエビは、市街化が進む中で島のように取り残された長田谷津の、さらにたったひとつの池に取り残されました。その池は、水源は直接湧き出す湧水、出口は堰があって段差があり、さらに園路の下のパイプを通って下流に続きます。つまり、水を通って上流や下流から生き物が入ることができにくい構造です。そういう孤立した池なので天敵が少なく、世代を繰り返すことができたと思われます。幼生が浮遊する期間が短く、実質的に子エビで生まれてくる生態も有利に働いたかもしれません。
サワガニは、斜面裾の湧水の流れに沿って生息します。卵が大きく、幼生時代をその中で済ませて子ガニで生まれます。ヌカエビと似ています。他のカニのように産卵のために海に出る必要がないので、孤立した長田谷津で世代を繰り返すことができました。長田谷津の湿地が年々埋まっていることも、サワガニには有利に働いています。水田のような浅い水辺ではなく、もう一段埋まった、湿った地面を好むからです。夏、湿地が植物に覆われると、斜面裾を離れて谷の中央部まで行動範囲を広げています。
アメリカザリガニは、悩ましい存在です。捕食力の強さと水草群落の破壊という点では、まちがいなく生態系に悪影響を及ぼしています。仮に完全な駆除ができれば、水草群落が再生し、水生昆虫など多くの水生生物がよみがえります。一方で、帰化した時代が古く、すでに地域の食物連鎖に組み込まれている側面もあります。特に、小さな時です。アメリカザリガニが駆除された場合、それに見合うだけの代わりの餌資源が見つかるのかは不明です。

ヌカエビの写真
ヌカエビ
サワガニの写真
サワガニ
アメリカザリガニの写真
アメリカザリガニ

動画 長田谷津の甲殻類

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