18 はやしのしょくぶつ(斜面林の植物)

18 はやしのしょくぶつ(斜面林の植物)

長田谷津(ながたやつ)の、さかのところは、「はやし」です。きが、たくさんはえています。むかしは、マツのきが、たくさんはえていました。そのうち、コナラのきや、イヌシデのきが、たくさんはえるようになりました。コナラのきや、イヌシデのきは、あきになると、はっぱがきいろくなって、おちてしまいます。いまは、シラカシのきや、シロダモのきが、おおくなりました。シラカシのきや、シロダモのきは、ふゆでも、みどりのはっぱが、ついています。
シラカシのきや、シロダモのきが、たくさんはえているところで、きをきると、コナラのきの、あかちゃんや、イヌシデのきの、あかちゃんが、はえてきます。あかちゃんが、おおきくなると、コナラのきや、イヌシデのきが、たくさんある、はやしになります。
はやしのなかには、きのほかに、くさも、はえています。いろいろな、しゅるいの、くさがあります。

ながたやつの、はやしのしょくぶつ

「き」のなかま(ぜんぶじゃないです)
イヌシデ、コブシ、ヤマザクラ、コナラ、クヌギ、ムクノキ、エノキ、フジ、シラカシ、シロダモ、スギ、モウソウチク
「くさ」のなかま(ぜんぶじゃないです)
タチツボスミレ、チゴユリ、シュンラン、キンラン、ヤマユリ、キツネノカミソリ、ヒヨドリバナ、アキカラマツ、カシワバハグマ

長田谷津の斜面は、燃料に炭や薪を使っていた時代はマツが多く生えていました。その後、林の木を人が伐ることがなくなり、遷移によってイヌシデなどの落葉樹の林になりました。マツは「松枯れ」によって、ある時全滅しました。落葉樹の林は、やがて常緑樹の林に遷移します。いまはその途中の段階で、落葉樹の下にシラカシやシロダモなどの常緑樹が多くなりました。やがて、常緑樹が林の上まで伸びるようになります。
生える木が移り変わることで、林の様子は大きく変化します。特に、明るいマツ林は落葉樹林になることでやや暗くなり、常緑樹林になるといっそう暗くなります。それにあわせて、林の中の植物も種類が移り変わります。マツ林の環境を好む植物は常緑樹林では生きることができず、常緑樹林の環境を好む種類はマツ林では枯れてしまいます。林のそれぞれの段階で、その環境に合わせた自然ができますが、長田谷津を自然公園にしたときに想定したのは落葉樹林です。公園管理の大きな方向は、常緑樹の増加を抑えて落葉樹林を維持することです。ただ湿地の場合と違い、木は一度伐ると、やりなおしに何十年もかかります。常緑樹林を好む生き物(鳥や昆虫も含みます)のことも考えながら、少しずつ進めることになります。

イヌシデの写真
イヌシデ
シロダモの写真
シロダモ
タチツボスミレの写真
タチツボスミレ

動画 長田谷津の斜面林の植物

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