17 しっちのしょくぶつ(湿地の植物)

17 しっちのしょくぶつ(湿地の植物)

長田谷津(ながたやつ)の、たにのしたのところは、ゆうすいがながれたり、しみこんだりしています。そういうばしょを、「しっち」といいます。「しっち」には、たくさんのしょくぶつが、はえています。
むかしは、ちいさなしょくぶつが、たくさんはえていました。それから、すこしおおきなしょくぶつが、はえました。それから、もっとおおきなしょくぶつが、はえました。いまは、ヨシという、おおきなしょくぶつが、たくさんはえています。ヨシが、はえているところを、たがやすと、また、ちいさなしょくぶつが、はえてきます。

ながたやつの、しっちの、しょくぶつ

ちいさなしょくぶつ(ぜんぶじゃないです)
タネツケバナ、ノミノフスマ、ツボスミレ、キツネノボタン、サヤヌカグサ、ツユクサ、ツリフネソウ、ミゾソバ
すこしおおきなしょくぶつ(ぜんぶじゃないです)
カサスゲ、キショウブ、クサヨシ、ジュズダマ、ギシギシ、サジオモダカ
おおきなしょくぶつ(ぜんぶじゃないです)
ヨシ、マコモ、ガマ

生えている植物の種類が移り変わることを遷移といいます。移り変わりの順序はだいたい決まっていて、その場所の環境や気候によっています。概ね、一年草から多年草、小型草本から大型草本という移り変わりになり、長田谷津の場合は最終的にヨシの群生地になると考えられます。ただその場合でも、水が多くたまった場所はマコモやガマ、土が多くたまった場所は樹木が生えてくるので、決して均質な植物群落になるわけではありません。
水田は、遷移を止めて小型の一年草が生える段階を維持した場所です。水を張ることで多年草の侵入を制限し、さらに草取りをして多年草を取り除きます。田起こし、代掻きという作業によって、一年草の種子が芽生えて成長できる状態を生み出します。その理由は、イネが一年草だからです。
公園としての長田谷津の湿地は、田んぼからスタートしました。公園になったことで遷移を止める作業が行われなくなり、セリの群生、カサスゲの群生といった段階を経て、現在はヨシ原の段階に至っています。田んぼだった時代の自然、田んぼをやめた直後の自然に価値を見出して自然公園とした場所なので、ヨシ原の段階まで来てしまったことは当初の想定と異なります。そのため、ヨシ原の草刈りや湿地の掘り上げを行い、遷移を巻き戻す取り組みを進めています。

ノミノフスマの写真
ノミノフスマ
カサスゲの写真
カサスゲ
ヨシの写真
ヨシ

動画 長田谷津の湿地の植物

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