19 ぜつめつきぐしゅ(絶滅危惧種)

19 ぜつめつきぐしゅ(絶滅危惧種)

「ぜつめつきぐしゅ」は、かずがすくなくなって、「ぜつめつ」しそうな、いきもののことです。長田谷津(ながたやつ)にも、ぜつめつきぐしゅが、くらしています。
ホトケドジョウという、さかなは、ゆうすいがながれる、ちいさなかわで、くらしています。たまごは、ゆうすいが、たまったばしょで、うみます。ゆうすいが、なくなったり、きたなくなると、いなくなってしまいます。
スナヤツメという、さかなは、ゆうすいがながれる、かわの、みずのそこの、すなにもぐって、くらしています。たまごを、うむときだけ、すなからでてきて、あつまって、たまごをうみます。たまごを、うんだあとは、しんでしまいます。ゆうすいが、なくなったり、きたなくなると、いなくなってしまいます。みずのそこの、きれいなすなが、なくなっても、いなくなります。
アオカワモヅクという、「かいそう」のなかまは、うみではなく、おがわに、はえています。はるになると、みずのなかで、のびてきて、ゆらゆらします。はるがおわると、みえなくなります。でも、また、つぎのはるに、はえてきます。

ながたやつの、ぜつめつきぐしゅ

どうぶつ
オオタカ、ホトケドジョウ、スナヤツメ、ドジョウ、コオイムシ、ネアカヨシヤンマ、マシジミ
しょくぶつ
アオカワモヅク、キンラン、マヤラン、カワヂシャ

長田谷津がある場所は、関東平野の東京湾岸、標高10m~20mほどのところです。離島でも、高山でも、日本列島の南北端でもありません。古くから人が暮らす、いわゆる里地です。生育・生息するのは、普通種と呼ばれる、人の生活圏で幅広く見られる種類です。特殊な環境で暮らす「シマ・・・」とか「ミヤマ・・・」、あるいは地理的に日本列島の辺縁にあたる場所で暮らす「エゾ・・・」とか「リュウキュウ・・・」といった種類がいるわけではありません。絶滅危惧種というと特殊な環境の生き物を想像しがちです。確かにそれらの多くも絶滅の危機に瀕していますが、同時に里地の生き物も絶滅の危機に瀕しています。爆発的な都市化が、その大きな要因です。
長田谷津の絶滅危惧種のうちでは、特に湧水に関係する種類は重要です。ホトケドジョウ、スナヤツメ、アオカワモヅクです。また、環境省の絶滅危惧種にはなっていませんが、ヌカエビやトウヨシノボリ、ヘイケボタルも大切な存在です。調べていないだけで、小型の水生生物には、まだ貴重なものがいるかもしれません。生き物の生育・生息は、環境とセットです。いまある環境、特に湧水の環境を守ることが、絶滅に瀕する生き物を救うことにつながります。

ホトケドジョウの写真
ホトケドジョウ
スナヤツメの写真
スナヤツメ
アオカワモヅクの写真
アオカワモヅク

動画 長田谷津のスナヤツメとアオカワモヅク

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