9 りょうせいるい(両生類)

9 りょうせいるい(両生類)

長田谷津(ながたやつ)には、カエルがすんでいます。りょうせいるいの、なかまのです。
たくさんすんでいるカエルは、ニホンアカガエル、アズマヒキガエル、ウシガエルです。むかしは、シュレーゲルアオガエルが、すんでいました。もっとむかしは、トウキョウダルマガエルとニホンアマガエルが、すんでいました。

ながたやつの、カエル

ニホンアカガエル、アズマヒキガエル、ウシガエル

両生類は、幼生(おたまじゃくし)の段階があるので、水辺とのつながりが大変深い生き物です。長田谷津にいるカエル、いないカエルから、長田谷津の水辺の変遷がわかります。
すでにいなくなってしまったトウキョウダルマガエルとニホンアマガエル、シュレーゲルアオガエルは、耕作されている水田と深く結びついています。3種とも、5月頃、浅く水が張られた水田で産卵します。トウキョウダルマガエルとニホンアマガエルは水中に、シュレーゲルアオガエルは、あぜの窪みに産卵します。自然の水辺では、5月はすでに植物が群生しているため、開けた水面も、柔らかな泥のあぜもありません。田起こし、代掻き・畔つけ、田植え、という一連の農作業の結果、5月に水面とあぜが確保されるのです。長田谷津が公園になる前は稲作が行われていたので、これらのカエルの生息環境は整っていました。それが、公園になり農作業が行われなくなったことで、5月の水辺は様相が変わり、3種のカエルは最終的に姿を消しました。
ニホンアカガエルも水田の水たまりに産卵しますが、その時期は早く、2月ころです。2月は植物が生えていませんので、稲作が行われなくなった長田谷津でも、湧水がたまった水面を利用できます。そのため、現在も生息しています。アズマヒキガエルは林に生息し、3月ころ、産卵のためだけに水辺に来ます。浅い水面だけでなく、もう少し水深がある池でも産卵できます。長田谷津が公園になってからも、ため池由来の池や新たに作った池があるので、そこで産卵することができました。
外来種のウシガエルは、卵が水面に浮くという特徴があります。そのため水深の制約を受けず、都市公園的な池でも産卵できます。長田谷津でも、いくつかの池で産卵したり、隣接するレジャー施設の池から幼生が流れてきたりします。大型のウシガエルは多くの水生生物を捕食するため、生態系への影響が問題視されています。

ニホンアカガエルの写真
ニホンアカガエル
アズマヒキガエルの写真
アズマヒキガエル
ウシガエルの写真
ウシガエル

動画 長田谷津の両生類

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