10 さかな(魚類)

10 さかな(魚類)

長田谷津(ながたやつ)には、さかながすんでいます。いけに、おおいのは、モツゴ、タモロコ、コイです。ハゼのなかまの、トウヨシノボリも、すんでいます。
いけより、ちいさなみずべには、カダヤシとドジョウが、すんでいます。カダヤシは、メダカによくにた、さかなです。
ゆうすいのながれには、スナヤツメとホトケドジョウが、すんでいます。

ながたやつの、さかな

スナヤツメ、ホトケドジョウ、ドジョウ、モツゴ、タモロコ、コイ、トウヨシノボリ、カダヤシ

谷津は、魚類が生息するには狭い場所です。海や湖、大きな川にくらべると、種類数、個体数とも限られています。長田谷津は水系としては東京湾や江戸川につながっていますが、特に昭和の時代、途中の真間川水系の水質汚濁がひどく、魚が通り道として使うことができなくなりました。そのため長田谷津では、そこで一生が完結するタイプの魚だけが生き延びることができました。そこに絶滅危惧種のスナヤツメとホトケドジョウが含まれたのは、幸いでした。下流側が汚くても、長田谷津にはきれいな湧水が十分あったため世代を繰り返すことができました。在来種のメダカが姿を消した過程は不明ですが、水田時代に使用された化学物質、コイやアメリカザリガニによる水草群落の破壊などが原因として考えられます。置き換わるように、卵胎生のカダヤシが定着しました。
生活排水対策や下水道の整備により真間川水系の水質が改善されると、多くの魚が遡上するようになりました。ボラの幼魚が真間川で群れる様子は、いまでは普通になりました。今後は、ウナギやウキゴリ類など、何種類かの魚が遡上して新たに長田谷津に定着することが期待されます。実際、カニのなかまのモクズガニはすでに定着しました。
一方で、魚の無責任な放流がいまだに見られます。かつてはブラックバスが放されたこともありましたが、近年はウグイやヌマムツ、フナ類やタナゴ類などが放されています。安易な放流が、貴重な生態系をゆがめることにつながります。

スナヤツメの写真
スナヤツメ
ホトケドジョウの写真
ホトケドジョウ
タモロコの写真
タモロコ

動画 長田谷津の魚類

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