20 たいせつな、ながたやつのために(今後の課題)
20 たいせつな、ながたやつのために(今後の課題)
長田谷津(ながたやつ)をまもるために、やっていることがあります。
- たにのしたのところが、うまってきたので、ほっています。ほらないと、ゆうすいが、なくなってしまうからです。
- はやしの「ていれ」をしています。たくさんのいきものが、くらせるように、なるからです。
- 「がいらいしゅ」が、ふえすぎないように、しています。しぜんのすがたが、かわってしまうからです。
- きたないみずが、ゆうすいに、まじらないように、しています。いきものが、すめなくなるからです。
- まわりの、なしばたけを、たいせつにしています。なしばたけが、なくなると、ゆうすいが、すくなくなってしまうからです。
長田谷津の環境管理の柱は、水の管理と植生の管理です。おもな内容はつぎのとおりです。
【水の管理】
- 埋まってしまった湧水の流出口を掘り出して、水が地表に出てくるようにする
- 流れ出た湧水がそのまま流れていってしまわないように、平皿のような地形に保ち水辺を形成する
- 湿地の水が集まる水路の土砂や植物を管理し、ある程度の流量、流速を維持する
- 流入する生活排水の分流を徹底する
【植生の管理】
- 湿地の遷移段階をコントロールして多様性を保つ
- 斜面林の遷移段階を落葉広葉樹林を基本にして保つ
【その他】
- 外来種は増えすぎないようにしつつ、ある程度、共存も考える
- 湧水のスタート地点とも言える梨畑の意義を伝え、「いちかわ梨」を応援する
※外来種・移入種について
長田谷津は都市域に立地するので、当然、人の営みの影響を受けます。外来種や移入種は、人の営みの結果です。それを排除ではなく管理することで、外来種や移入種を含めた自然がどのような姿になるのかを模索することができます。都市の生態系を、原生の生態系と同じにしようとすることが必ずしも正しいとは思えません。たとえば、鳥が周囲の住宅地から運んできたタネに由来する園芸植物が自生種のようにふるまう自然の姿をどう評価するのか。それらをすべて排除することは、現実にはできません。これは、何十年も前にすでに提起されている課題です。